ソーラー発電
家庭用ソーラー発電システム。結構高い価格で販売されています。新車と同等程度。なぜこんなに高いのか?
ソーラー発電システムは現状ではエコにならない。その事実の裏付けがこの価格だと考えます。その理由を解説します。
ソーラー発電システムの心臓部は太陽電池。これは太陽光に限らず、光エネルギーを電気エネルギーに変換するが、変換することのできる光の波長(色)は決まっており、可視光全ての光を変換できるわけではない。
つまり、変換できずに捨てている光エネルギーも多く、理論上の限界は35%程度だったと思う。
現在市販されているソーラーパネルの変換効率は10%程度。効率の高いものは価格も高いし寿命が短く、実用としてはまだ厳しい。
原材料に特別高いものは無い。
鉄系、アルミ系、銅系の金属と、シリコンと、僅かなレアアース、レアメタルそしてプラスチック。
システムはソーラーパネルとパワーコンディショナに分かれるが、後者は10万円も掛ければ十分だろう。主要部品はインバーターエアコンと大差ない。
ソーラーパネルが高いわけだが、太陽電池本体以外は特殊な材料は無い。大きさから考えてこれも20万円で十分。
コストのほとんどは太陽電池本体になるわけだが、その主材料はシリコン。地球を構成する主成分の一つで、埋蔵量は豊富にある。なぜ、これが高いのか。
シリコンを半導体部品に加工する工程は、ほぼ無人で機械が製品にまで仕上げてくれる。人の手が加わると、分子レベルの純度が必要な半導体製品は汚染され、製品の質が低下する。このため人が直接製品に触れることなく製造される。よって人件費は高くない。
大量生産が確立しているため、安く購入できるはず。
太陽電池が高い原因はシリコンの使用量にある。
パソコンやデジタルテレビなどに使用される最新デジタル機器でも、その半導体の使用量は、多いものでも一台あたり手のひらサイズ。半導体は小さくても高機能を実現できるため、極力小さく作り、使用量が少なくてすむ。
ところが太陽電池は、その高機能な材料の特性の一部である光電変換だけを利用するが、それほど効率も高くないため、実用的な能力を確保するためには大量の半導体を必要とする。
実にもったいない。
半導体に使用するシリコンは高純度が必要。鉱石から生成して単結晶にするまでに、膨大な電力を消費して作成される。その過程はシリコンを溶かして不純物を取り除くのだが、このときの温度は千度以上。シリコンに、分子レベルの不純物を混入させることなくこの温度まで加熱するには、電力以外の方法はない。ここで消費されるエネルギー代がシリコンの価格の大部分だといっても過言ではない。
約150万円の電力を消費して作成された太陽電池で電力を生み出すムダ、矛盾。そんなものを補助金で推進する政治のセンスの無さ。
それをエコだと宣伝するメディアの浅はかさ。鵜呑みにして購入する消費者の不勉強。
150万円で灯油は何年分買えるでしょうか?電力は半分以上のエネルギーをムダに捨てて供給される、効率の悪いエネルギーです。同じ価格の灯油を買って暖房する方がはるかにエコ。
本当に地球を大切にする気はあるのか?
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コメント
灯油で例える所がさすがCHOFUww
投稿: sin | 2010年6月 6日 (日) 07時58分
投稿: Hybrid | 2010年6月 6日 (日) 10時29分
すごい緻密な計算に感服。
人が生きているとエネルギーを使うからねぇ。
石油が無くなる前になんか考えないと(汗)
投稿: 牛 | 2010年6月 8日 (火) 01時04分
>牛さま
コメントありがとうございます♪
日本で一般的にエコと思われていることをよく考えると、実は逆効果のことが多く、企業の策略も感じます。
EUではよく考えられていて、特にドイツは合理的且つ効果的に進んでいます。
日本の政治家の不勉強に呆れてます
投稿: Hybrid | 2010年6月 8日 (火) 07時57分